極寒の南極に存在する活火山について解説!

COLUMN | 2020.01.24

分厚い氷床に覆われた南極。

実は、そんな南極にも活火山が存在することをご存知でしょうか?

火山といえば日本の阿蘇山や御獄山、ハワイ島のキラウェア火山などが有名です。一面雪景色の印象の強い南極に火山があると言われてもイメージしづらいかもしれません。

しかしながら、最近の研究で南極には世界最大級の火山地帯が存在することが分かってきました。

そこで今回は、南極に存在する火山について、その地理的な概要や今も噴火を続ける有名な活火山に至るまで詳しく解説していきます。

1 南極で最も有名な活火山は「エレバス山」

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南極に存在する活火山の中で最も有名なのは、ロス島に位置するエレバス山です。その標高は、日本の名峰 富士山(3,776m)よりも高い3,794m。

地球上で最も南にある活火山として知られています。

エレバス山を発見したのは、イギリスの探検家 ジェイムズ・クラーク・ロス氏。1839年〜1843年にかけて南極探検を行い、数々の有益な調査結果を持ち帰ってきたことでも有名です。

火口には、世界的にみても非常に希な「溶岩湖」を形成。常に溶岩が火口に溜まっている状態が続いています。このような溶岩湖を形成する火山は、ハワイ島のキラウェア火山、バヌアツ共和国のマラム火山など数えるほどしか確認されていません。

エレバス山は今もなお、時折火口から赤いマグマや白煙が迸る様子が観測されています。

2 南極に存在する、その他の有名な活火山たち

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2-1 ベルリン山

ベルリン山は、西南極のマリーバードランドに位置する火山です。標高は前述したエレバス山(3,794m)よりも少し低い、3,478m。

アメリカの探検家、リチャード・イブリン・バード氏によって発見されました。

「ベルリン」という名称がついているもののドイツとは関係なく、かつてこの山で遭難したUSAS隊隊長のレオナルド・ベルリン氏からベルリン山と名付けられたと言われています。

2-2 デセプション島(火山島)

デセプション島は、南極海に浮かぶサウスシェトランド諸島の1つ。活火山を抱えているため、その影響から温泉が湧き出ることでも有名です。

地熱の影響により雪は溶け、岩肌がむき出しになっているエリアも多く存在します。

島には温泉の湧き出る「クレーター湖」では水着を着用して遊泳が可能。南極クルーズにおける観光スポットとしても非常に人気です。

2-3 ポーレット島(火山島)

ポートレット島は、南極の北東に位置する火山島です。イギリス海軍提督、ジョージ・ポーレット氏にちなんでポートレット島と名付けられました。

南極大陸周辺に分布するアデリーペンギンの生息地としても知られています。

ちなみに島で噴火が起こったのは今から1000年以上も前の話。ただし、活火山とは「過去1万年に噴火したことのある火山」のことを指すため、定義上は活火山に分類されます。

3 氷床下2kmに眠る世界最大級の火山地帯

ここまで解説してきたエレバス山やベルリン山は、あくまで地上から目視で観測できる活火山です。

実は最近の研究によると、目視では観測できない火山の存在も明らかになってきています。

その火山が存在するのは、ロス湾に大きく突き出た「West Antractic Rift System」と呼ばれるエリアの氷床下2km地点。英国エジンバラ大学の実施した、地形の音波測定により発覚。

氷床下2km地点に存在する活火山の数は、少なくとも100以上。世界最大級の火山地帯が存在することが分かってきています。

分厚い氷床の下には、凄まじい自然エネルギーが眠っているわけです。

ただし、具体的にどの程度のエネルギーを持った活火山なのか等、詳細なデータについては未だ明らかになっていません。

もし南極の火山が噴火したらどうなるのか?

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ではもし南極の火山が噴火したらどうなってしまうのでしょうか?

先ほどご紹介したエレバス山は、今もなお小規模な噴火を続けています。一方で、氷床下に眠る火山地帯の状況は未だ詳しくは分かっていません。

仮に世界最大級とされる氷床下の火山が一斉に噴火を始めた場合を考えてみましょう。

まず、噴き出たマグマの熱によって分厚い氷床が溶解し海に流出。その結果として、世界的な海面レベルの上昇を引き起こす可能性も十分ありうるわけです。

もちろん、直近でそのような大噴火が起こる確率は低いものの、南極には地球環境に大きな影響を与えるほどのエネルギーが秘められていることを理解する必要があります。

 

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