「北極星」って何だろう?改めて考える天体の基本

COLUMN | 2020.02.11

 

小さい頃、ベランダで夜空を眺めながら「北極星」を探した経験はありませんか?

ひょっとすると理科の授業で習った方も多いかもしれませんね。

北極星とはその名の通り、真北にある輝星のこと。基本的に位置がほとんど変わらないため、古くから正しい方角を見つける夜空の印として利用されてきました。

今回は、私たちにとって馴染み深い北極星について、改めてその定義や北極星の見つけ方、さらには意外と密接な北極星と信仰の関係に至るまで詳しくご紹介します。

1 そもそも北極星とは?

そもそも北極星とは?

北極星とは、その名の通り天の北極*に最も近い輝星のこと。

常に真北で輝いていることから、古代より正しい方角を確認するために用いられてきたとも言われています。現在も天体観測を行う上で、北極星は非常に重要な存在です。

ちなみに観測可能なのは北半球からのみで、南半球から北極星を確認することはできません。

*天の北極 : 地球の地軸と天球とが交わる点のうち北側のこと

2 北極星の役割を果たす星は交代制?

北極星の役割を果たす星は交代制?

古くから正しい方角を見つけるために利用されてきた北極星。しかしながら、実際の北極星は「交代制」であると言われています。

地球の回転軸がゆっくりと方向を変えていく「歳差運動」により、北極星の役割を担う星は数千年の周期で変わっていくものなのです。

つまり今私たちが夜空を眺めた時に見える北極星は、1000年、2000年先も全く同じ星とは限りません。

2-1 過去から現在までの北極星の変遷

2020年現在、「こぐま座α星」と呼ばれる星が北極星の役割を担っています。ここで、過去から現在に至るまでの北極星の変遷を確認してみましょう。

数千年周期とはいえ、地球の歴史から見れば意外と頻繁に入れ替わっていることがお分りいただけるはずです。

【北極星の変遷】

年代 北極星を担う星の名称
紀元前12,000年頃 こと座α星
紀元前10,000年頃 ヘラクレス座ι星
紀元前7,700年頃 ヘラクレス座τ星
紀元前5,300年頃 りゅう座ι星
紀元前3,000年頃 りゅう座α星
紀元前1,100年頃 こぐま座β星
西暦500年〜2020年現在 こぐま座α星

2-2 今後、北極星になることが予想されている星

過去から現在に至るまでの北極星の変遷については、既に確認しました。いよいよ次は、今後北極星なることが予想されている星について見ていきましょう。

「こぐま座α星」の次は、一体どの星が北極星の役割を担うのでしょうか?

【未来の北極星】

年代 北極星を担う星の名称
西暦4,000年頃 ケフェウス座γ星
西暦6,000年頃 ケフェウス座β星
西暦7,800年頃 ケフェウス座α星
西暦10,200年頃 はくちょう座α星
西暦11,600年頃 はくちょう座δ星
西暦13,500年頃 こと座α星

この表の最後に注目して見ましょう。西暦13,500年には「こと座α星」が復活しています。この星は前述した通り、紀元前12,000年頃に北極星の役割を担っていた星です。

つまりこの西暦13,500年には歳差が回帰していることがわかります。

3 知ってると方角が分かる!北極星の見つけ方

知ってると方角が分かる!北極星の見つけ方

北極星の見つけ方には、いくつか方法があります。代表的な見つけ方としては、北斗七星、もしくはカシオペア座を目印にする方法です。

ただし北斗七星は時期によって少し見えづらくなるため、今回はカシオペア座を用いた見つけ方について説明していきます。

まずは、澄んだ空気の夜空を見上げて見ましょう。北天に浮かぶ「W」型の星座が、カシオペア座を見つけることができます。

ここからが少しだけ複雑。画像で示した1~5のうち、2と4から延長線を伸ばし、その交差点から3までの距離を目測します。

あとは交差点から3の星に向けて線を伸ばし、交差点と3の距離を5倍に相当する位置を見て見ましょう。そこに輝く星が、現在の北極星です。

少し難しいかもしれませんが、何回か繰り返しているうちにコツをつかめるようになります。

4 意外と密接な「北極星」と「信仰」の関係

意外と密接な「北極星」と「信仰」の関係

北極星は天体観測という学問的な分野のみならず、「信仰」とも深い関係があるのだとか。

「全ての星の中心にある」つまり「天の中央に座位する」、そんな北極星の存在が神格化され、いつしか北極星は神様になぞらえられるようになりました。

例えば「妙見菩薩」は、北極星を神格化した天部神の1人です。一般的には「妙見さん」の名称でも親しまれているのだそう。

ちなみにこの妙見菩薩は、菩薩信仰がインドから中国へと伝わったのち、中国の北斗七星信仰と習合されたものが日本へと伝来したと考えられています。

5 北極星とは反対の「南極星」もある?

北極星とは反対の「南極星」もある?

ここまで北極星について説明してきました。それでは北極星と対になる「南極星」のような星も存在するのでしょうか?

実は、北半球同様に南半球からしか観測できない「南極星」も学問上存在すると言われています。ちなみに現在、その名称は「はちぶんぎ座σ星」と言われるもの。

しかしながら2020年現在、はちぶんぎ座σ星は比較的暗い星であることに加え、天の南極にぴったり重なっているわけではないのだそう。

ひょっとすると数千年後に、南半球の人々が空を見上げた時に観測できるような「南極星」が観測される日が訪れるかもしれません。

北極星は、夜空に輝く道しるべ

今回は、満天の夜空に輝く「北極星」についてご紹介しました。

2020年現在、北極星の役割を担っているのはポラリス(こぐま座α星)です。

しかしながら、地球の歳差運動により。数千年後は「ケフェウス座γ星」や「はくちょう座α星」といった別の星が北極星になっている可能性もあります。

数千年周期で交代しながら、道しるべとして夜空を照らす北極星。

もしご家族やお友達と夜空を眺める機会がありましたら、本記事でご紹介した北極星の豆知識をそっと教えてあげてくださいね。

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