シベリアとはどんな場所?極寒の地域の特徴について知る。

COLUMN | 2019.12.24

 

北極圏ににその一部が属している地域、“極東の最果て”と呼ばれている「シベリア」

“シベリア鉄道”や”シベリアンハスキー”などその名前は日本でも浸透しているにもかかわらず、どのような地域なのかはほとんど知られていません。

シベリアはその雄大な大地やキレイな自然環境から実は「憧れの地域」と呼ばれ、近年注目されている場所なんです。

そこで今回はそんな謎が多い地域であるシベリアの歴史的背景を紐解いていくとともに、その特徴などを詳しくご紹介していきます。

1 シベリアはどこの国?

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1-1 そもそもシベリアって

シベリアとは、ロシアにある”連邦区間”のひとつ。日本でいうところの、関東や関西のような区画の名前のことなんです。

つまりシベリアというと”いち国家”や”ロシアに属する共和国”を表す地域ではありません。

ただ、そこは世界で最も広い面積を持つ国であるロシア。シベリアの面積は、ロシア連邦全土の約57%にあたる980万㎢というとてつもなく広い範囲に渡ります。

シベリアの大部分は手付かずの山やタイガ(針葉樹林)で覆われており、その中でも限られた場所に約3,600万の人たちが生活をしている地域なんです。

のんびりとした雰囲気があり、自然も多く残るシベリア。水や空気もキレイで、”健康的な生活”に憧れるロシア人の憧れの地域としての側面も持っているそうです。

1-2 シベリアの歴史

シベリアに初めて人が移住してきたのは中世紀。その後15世紀末に建国されたシビル汗国崩壊後、ロシアからの移民が始まり16世紀には現在ような地域になったと言われています。

ロシア革命後や戦争時代には、流刑地や抑留の地として少し悲しい歴史も持っているシベリア。

元々は隣接する極東やウラル連邦地区の一部もシベリアとして分類されており、今でもその境界線は少し曖昧な部分を残しているとも。

その為、ロシアに住む人でもシベリアの範囲をうまく説明できない人が意外と多く、中には「ウラル山脈より東が全てシベリア」と間違った解釈をしてるロシア人もいるそうです。

2 北極圏に属するシベリアの地域

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シベリアといえば”極寒な地域”としてのイメージが強く、北緯が高い場所に位置していることも相まって“その全てが北極圏に属している”と勘違いされがち。

しかし、その認識は誤り。シベリアの中でも北極域に属するのは、クラスノヤルスク地方、アルハンゲリスク州、サハ共和国、ムルマンスク州、カレリア共和国、コミ共和国、ヤマロ・ネネツ自治管区、チュコト自治管区、ネネツ自治管区。

最も人口が多い地域はクラスノヤルスク地方。他にも”マイナス72.1℃”という人類が定住している地域では最も低い気温を記録したサハ共和国など、全9つの地域や共和国が北極域に属しているんですね。

先住民も多く住むこれらの地域ですが、現在は石油や天然ガスと言った「天然資源」の生産地として、ロシア経済を支えていると言われています。

3 シベリアの気候について

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シベリアの気候について、北極域に近い範囲を除く南部や中部は「亜寒帯」と呼ばれる”冬は寒く夏は暑い”という特徴を持っているんです。

冬になるとマイナス40〜50℃という厳しい寒さが訪れることもあるシベリア。その寒さ故にオーロラなどの自然現象を多く見ることができるのもひとつの魅力。

一方、夏になると最高気温30℃を記録することもあり、私たちの持っているシベリアのイメージとは少しかけ離れているかもしれませんね。

また、シベリアの特徴としてたびたび挙げられる「タイガ(針葉樹林)」は、夏に気温が上がることで樹木が成長できる環境が保たれていると言われているんだとか。

広大な範囲を持つシベリア。地域によっても気温の移り変わりは異なりますが、夏と冬の気温差が意外と大きい地域なんですね。

4 シベリアで有名なスポット

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4-1 シベリア鉄道

シベリア鉄道といえば、一度はその名前をきいたことがあるという人がほとんどではないでしょうか。

“世界一の長さ(走行距離)”を誇るシベリア鉄道。その総距離約9,300kmは約地球1/4周に匹敵する驚きの長さなんです。

極東のウラジオストクから首都のモスクワまでの間、もちろんと壮大な景色が広がるシベリア地区を通過していきます。

のんびりと異国での鉄道旅を想像し誰しもが憧れるシベリア鉄道の旅ですが、全工程を走破するには約7日間もの時間が必要と言われています。

実際にシベリア鉄道の旅を計画する際は、”7日間鉄道に乗り続けなければならない点”は考慮した方がよさそうです。

4-2 バイカル湖

ブリヤート共和国に位置する「バイカル湖」

世界遺産にも登録されているその湖最大の特徴は、世界一と言われる透明度。その透き通る様な美しさから”シベリアの真珠”と呼ばれているほどなんです。

また湖の大きさは琵琶湖の約50倍、南北に680kmもの距離があるほど広大な面積を誇っています。

運がよければ”バイカルアザラシ”という唯一淡水に住むアザラシを見ることができるのもバイカル湖の特徴のひとつ。

“一生に一度は見てみたい景色”と言われるのも納得できます。

まとめ

本日はロシアの極東に位置する地域「シベリア」についてご紹介してきました。

シベリアの一部の地域は北極圏に跨がり、冬には-40~50℃まで下がる極寒の地域。

ただシベリアと言ってもその広さは広大であり、属する地域が変われば気候だけでなくそこに住む人々の生活スタイルもガラリと変わっていきます。

シベリアはその広大さ故に区分が曖昧な部分があり、昨年もシベリアに属していたブリヤート共和国とザバイカル地方が極東連邦管区へ所属替えされたばかり。

そんなシベリアですが、バイカル湖やシベリア鉄道、北極圏に属する地域で見ることができる自然現象など魅力的な場所がたくさんあります。

ぜひ本記事を参考に旅行に訪れる計画を立ててみてはいかがでしょうか。

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