南極最高峰の山、ヴィンソン・マシフについてご紹介!

COLUMN | 2019.12.20

南極大陸には登山を嗜む人たちの憧れ「ヴィンソン・マシフ」という山があることをご存知でしょうか。

ヴィンソン・マシフは”七大陸最高峰”のひとつに分類されている山塊。七大陸最高峰とは地球上の7つの大陸にそれぞれある、標高が最も高い山のことをそう呼ぶんです。

登山自体の難易度もさることながら、やはりそこは南極大陸。そもそも行き着くまでが大変で、事前に相当な準備をする必要があるんです。

今回は南極最高峰であるヴィンソン・マシフについて、歴史的背景から実際に登山するために必要になる事柄について詳しくご紹介していきます。

1 南極大陸最高峰の山

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1-1 ヴィンソン・マシフとは?

ヴィンソン・マシフとは南極点より北西に約1,000㎞に位置する南極大陸最高峰の山塊なんです。

いわゆる“七大陸最高峰”のひとつに数えらえるヴィンソン・マシフ。標高4,892mの氷河と雪に覆われたその大自然の壮大な姿は、七大陸最高峰の中でも特に美しいとも言われているんだとか。

富士山よりもずっと高い約4,000m級の山脈と言えば、あまり登山経験がない人からすると難易度が高いように感じてしまいます。

ただ、ヴィンソン・マシフの標高は七大陸最高峰の中では下から2番目。登山自体は技術的に言えばそれほど難しくはないとも言われているんです。

1-2 ヴィンソン・マシフの歴史的背景

初めて人類がヴィンソン・マシフの登頂に成功したのが今から約60年も前の1966年。

そこから数年の間、補給が難しいという理由から再びこの山に挑む人は現れませんでした。1985年に入り、個人冒険家の旅行をサポートする代理店が誕生し、そこから登山をする人が徐々に増えていったんだとか。

現在まで約1,500人あまりが登頂してきたヴィンソン・マシフ。現在ではいつくかの代理店から登山を含む南極大陸行きのツアーが提供されているようです。

2 必要な日程や山頂までのルート

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ヴィンソン・マシフの登山にチャレンジする場合どれくらいの日数が必要かイメージできますか?

登山ルートは天候などを考慮し、予定通り行かない場合や急遽変更になる場合も多いらしく注意が必要なんです。

【あるヴィンソン・マシフ登山スケジュール】

  1. まず、チリ・プンタ・アレナスから飛行機で約4時間。エルスワース山脈の近くにある”ユニオン・グレーシャー・キャンプ”というベースキャンプ地に降り立つことが南極大陸の第一歩。
  2. ベースキャンプ地から小型飛行機で約1時間、”ビンソンマッシフベースキャンプ”を目指します。約3,000mあるこのベースキャンプ地で高度に体を慣らすため2日ほど滞在するのが一般的なんだとか。
  3. 体が慣れてくるといよいよ登山がスタート。5日〜9日をかけて山頂を目指していきます。
  4. 途中テントでの宿泊を挟みながら、4,000m付近にある”ハイキャンプ”に着くと山頂まであと5㎞。いよいよゴールが見えてきます。

3 ヴィンソン・マシフ登山で想定しておきたいこと

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ヴィンソン・マシフは登山は技術的にはそれほど難易度は高くない…そう前述しましたが、そもそも4,000mを超える山塊。

標高が高い場所で何日もキャンプをする必要があるため、高山病をはじめ様々なリスクを想定しておく必要があるんだとか。

ここでは起こりうるリスクについて詳しく見ていきましょう。

3-1 天候や気温

南極ではブリザードと呼ばれる嵐が発生する可能性があり、強風が吹き荒れると-40℃まで気温下がる場合もあるんだとか。

途中、登山ができずテント内で停滞しなくてはならないこともあり、スケジュールやルートが突発的に変更になったり、最悪の場合、登頂を断念せざるおえないことも考慮しておかなくてはいけません。

南極大陸はいくだけでもかなり高額な金額が発生してしまう地域。

天候によっては思い通りの行動が取れない場合もあるということを念頭に置いた上で計画を立てるようにすることがおすすめなんです。

3-2 事前トレーニングが必要

ヴィンソン・マシフ登山でもうひとつ考慮しておきたいのが”体力的な問題”

4,000m級の山を重い荷物を担いだ状態で1日8時間以上も歩くとなると、ある程度の体力と精神力が必要になってくるんです。

もしヴィンソン・マシフに挑む場合、体力トレーニングや雪山に慣れるためのプログラムを事前にこなしておく必要があります。

4 登山前の必要な手続き

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ヴィンソン・マシフにはもちろん誰でもチャレンジすることができますが、出発前、環境省に届出を出さないといけない決まりがあるんです。

この届出は「南極環境保護法に基づく手続き」というもの。南極大陸で登山、観光、冒険旅行を含むすべての活動を行う場合は環境省へ届出を提出し、南極に与える影響が基準を満たしているかの確認してもらう義務があるんだとか。

これは“南極環境保護法”で決まっている、知らなかったでは済まされないルール。必ず確認するようにしましょう。

いくつもある南極の山々

本日は南極大陸にある山塊、ヴィンソン・マシフについてご紹介してきました。

ヴィンソン・マシフは七大陸最高峰のうちのひとつ。4,000mを超える標高があり、雄大で美しい姿が特徴的な山塊なんです。

そもそも南極に行くこと自体容易ではなく、極地での登山は事前にしっかり準備しておく必要があります。

南極大陸にはホープ山やシドリー山など3,000m級の山脈が複数あり、ヴィンソン・マシフに劣らないくらい美しい景色が広がっているんだとか。

登山を嗜む人にとっては憧れと言われるヴィンソン・マシフ。ぜひ本記事を参考にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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