中国地方の登山スポットを地域別に紹介

COLUMN | 2023.07.04

中国地方に鎮座する山々は、雄大で美しく多くの登山家を魅了しています。また海や川、湖など多様な自然が登山をしながら楽しめるのも魅力の一つ。

そこで今回は中国地方にスポットをあて、地域別に登山スポットを紹介します。

1 広島県の有名登山スポット

1-1 弥山(みせん)

弥山は、標高535mの山で宮島(厳島)の中央に位置しています。

麓にはユネスコの世界遺産にも登録されている「厳島神社」の登録区域の一部で、美しい景観で知られるスポット。

北側の斜面の「瀰山原始林」は国の天然記念物に指定されており、暖温帯性針葉樹と南方系高山植物が同居する珍しい植物が見られます。

標高はそこまで高くはないので、山頂までは約30分ほどで登頂することができます。そんな山頂からは瀬戸内海の美しい景色を眺望でき、初心者から上級者まで登山を楽しめる山です。

1-2 白滝山(しらたきやま)

白滝山は標高226mの山で、元々は修験者の修行の場でした。

永禄12年(1569年)に因島村上水軍6代当主、村上新蔵人吉充が布刈瀬戸の見張りどころとして観音堂を建立したと伝えられています。

麓にある仁王門から山頂までの道のりに、大小約700体の石像仏群が所狭しと並んでいます。

山頂からは瀬戸内の大パノラマを眺望できる山です。

本堂の裏には、少しいびつな岩が祀られています。これは「恋し岩」と呼ばれており、触れると恋が成就すると言い伝えられてきました。

現在は恋愛のパワースポットとして人気を博している場所でもあります。

1-3 恐羅漢山(おそらかんざん)

恐羅漢山は広島県と島根県に跨る山。

標高は1,346mで、広島県の最高峰でもあり西中国山地においても最高峰です。

自然の宝庫としても有名で、ブナやケヤキ、ミズナラの原生林が広がり、ツキノワグマの本州最南端の生息地としても知られています。

山頂までの道のりは約120分。自然が豊かなのでバードウォッチングにもピッタリで、自然を思う存分楽しめる有名スポットです。

2 岡山県の有名登山スポット

2-1 後山(うしろやま)

標高1,344mの後山は、岡山県の最高峰です。

別名「西の大峰」とも呼ばれており、近畿百名山や中国百名山に選定されています。

山頂までの道のりは高低差が少なく、なだらかな稜線歩きが特徴。また中腹から山頂にかけて広がるブナの天然林は特別保護区域に指定されています。

マタタビ、ウバユリ、トチバニンジンなど多くの貴重な草花が咲き誇ることでも有名なスポットです。

山麓を流れる行者川にはオオサンショウウオやカジカ、アマゴなどが生息するなど、豊富な動植物に恵まれていることも人気を集める理由の一つ。

春から夏は美しい花々などが見頃で、秋は色とりどりの紅葉に包まれます。冬は雪化粧をした深雪風景が見所で、四季折々の表情を楽しめる山です。

2-2 那岐山(なぎさん)

岡山県と鳥取県に跨る那岐山は、前述した後山に並ぶ中国山地を代表する秀峰。

標高1,255mの山で、四季折々の豊かな美しい自然に恵まれています。

山名の由来は諸説ありますが、日本神話の伊弉諾尊(イザナギノミコト)を祀る神社があるという説。または後山と背比べをして負け泣いたことから、ナキ(泣き)ノセンとなった民話などが語り継がれています。

頂上からの眺めは、遮るものがなく360度の大パノラマを楽しむことができます。天気の良い日であれば四国の山々や、日本海まで見渡すことができる絶景スポットです。

2-3 鬼ノ城山(きのじょうざん)

標高397mの鬼ノ城山。吉備津彦命(きびつひこのみこと)が、この地を居城にしていた鬼を退治したという伝説が語り継がれているのです。

これは、おとぎ話の一つでもある桃太郎のルーツとも言われています。

山頂までの登山道には、古代に建造された状態を復元した城門や、水門などの遺跡が次々と現れます。

歴史を随所に感じながら、山頂を目指しましょう。頂上からの眺めは岡山平野を一望でき、瀬戸内の島々を見渡すことができます。

3 山口県の有名登山スポット

3-1 寂地山(じゃくちさん)

寂地山は山口県と島根県に跨る、標高1,338mの秀峰。

山口県の最高峰で、中国百名山の一つでもあります。

中四国最大級の規模を誇るブナ林や、山麓にある人気景勝地の寂地峡、犬戻峡など見所も多いスポット。

毎年4月下旬から5月中旬には、春を告げるカタクリの花が見頃を迎えます。これを一目見ようと、多くの登山愛好家らが訪れる人気スポットです。

3-2 琴石山(こといしやま)

琴石山は、標高545mの山口県に鎮座する山。かつて天女が山頂の岩に舞い降り、琴を奏でたと言い伝えられたことが山名の由来。

登山道は整備されているので、登山初心者でも安心してチャレンジができるスポットです。柳井市の指定天然記念物「琴石山のヤマザクラ」は4月上旬に満開を迎え、多くの方に親しまれています。

登山にかかる時間は往復で2時間半程度の道のり。山頂からは視界を遮るものも少なく、周防大島や瀬戸内海に浮かぶ島々を満喫できます。

3-3 十種ヶ峰(とくさがみね)

標高989mの十種ヶ峰は、山口県と島根県に跨る山。

その端正な見た目から長門富士の異名を持ち、絵画のような姿が人気を集めています。

登山にかかる時間は、往復でおよそ3時間程度。初心者向けに山頂まで約30分でアクセスできる、ルートも用意されているので安心です。

春には一面に白い花を咲かせるヤマシャクヤクの群落が見頃を迎え、それを目当てに来られる方もちらほら。

十種ヶ峰は独立峰なので、山頂からの眺めは360度に渡り絶景が広がります。麓から見てもよし、山頂からの眺めもよしの山口を代表する登山スポットです。

4 鳥取県の有名登山スポット

4-1 大山(だいせん)

大山は、標高1,792mで鳥取県および中国地方の最高峰。

伯耆大山(ほうきだいせん)とも呼ばれており、形が富士山に似ているので伯耆富士などの異名を持ちます。

日本百名山の一つでもあり、山頂からの眺望は絶景で日本百景にも選出されているほど。

登山ルートはいくつか用意されており、初心者から上級者まで多くの登山家に親しまれています。

日本最大級のブナ林が広がり、頂上からは日本海を見渡せる絶景が広がる有名スポットです。

4-2 金華山(きんかざん)

鳥取県に位置する、標高354mの金華山。

山頂まで約20~30分で登れるのですが、その間に木の根が剥きだしになった道や、奇石や怪石、巨石がゴロゴロとしたハードな登山が楽しめます。

県指定の天然記念物「熊野神社社叢」や「凝灰角礫岩(ぎょうかいかくれきがん)テラス」が有名です。

絶景スポットとしても親しまれている鳥取を代表する山です。

4-3 三角山(みすみやま)

三角山は標高508mの山。

低山ではありますが、その登山道は体全体を使って岩肌を登っていくアクティブな登山が楽しめます。

山頂には三角山神社山頂(奥宮)本殿が鎮座し、絶景を楽しめます。登山初心者でも、少しハードに感じられるかもしれませんが、実力試しにおすすめの登山スポットです。

5 島根県の有名登山スポット

5-1 三瓶山(さんべさん)

室ノ内と呼ばれるくぼ地を取り囲むように、複数の峰が連なり構成されている三瓶山。

その中で最も高い主峰の標高は1,126mの男三瓶山。大山隠岐国立公園の一部に指定されています。

出雲国風土記の神話にも登場しており、国造りの神が海の向こうから引き寄せた土地を一つにまとめるために杭として使ったと言い伝えられてきました。

春の到来を告げる火入れと呼ばれる伝統行事も、多くの方で賑わいをみせます。

登山ルートは複数用意されており、初心者から上級者まで楽しむことができます。山頂には草原が広がり、日本海や中国山地の山々など360度の景観を楽しめる絶景スポット。

5-2 春日山(かすがやま)

島根県に位置する春日山の標高は989m。

奈良春日神社の分神が山頂に祭られていることが山名の由来。毎年夏には山頂で祭りが行われ、多くの登山者で賑わいをみせるスポットです。

頂上からの景色は絶景で、日本海や近隣の山々を望むことができます。

5-3 雲月山(うんげつやま)

雲月山は、島根県と広島県に跨る標高911mの山。

西中国山地国定公園に指定されており、中国百名山の一つ。

雲月山は一部を除き、山のほとんどがススキや笹の草原に覆われていることが特徴。草原地帯に生える植物や昆虫などが多く生息しています。

春先になると恒例行事でもある山焼きが行われます。そのおかげもあり、周辺には視界を遮るものはなく絶景スポットとしても有名です。

山頂までの道のりは整備されているので、登山初心者はもちろん子供連れのファミリーでも気軽に楽しむことができるスポットです。

多様な自然を楽しめる中国地方の山々

中国地方には多くの登山スポットがあり、豊かな自然と山頂からの絶景を楽しむことができます。

その自然美は地域によって当然ながら異なり、わたしたちを魅了してくれます。

登山初心者に向けたルートも用意されているので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。

 

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