意外と知らない!?登山靴の選び方のポイント

COLUMN | 2022.11.02

登山を楽しむためにも欠かすことができない登山靴。

これから登山を始めたい方にとって、自分に合った登山靴を選ぶことは必要不可欠です。

しかしながら登山靴の種類や、選び方のコツを知っている方は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、登山を楽しむための道具の一つでもある「登山靴」にフォーカスし、その種類から選び方のポイント、お手入れ方法に至るまで解説していきます。

1 登山に適した靴

登山をする際にレインウェア、ザックと共に三種の神器とも呼ばれている登山靴。

山を安全、快適に歩行する際に必要な機能が登山靴には備わっています。

山によっては整備された登山道の場合もありますが、ゴツゴツとした岩場や足場の不安定な場所を歩くことも少なくありません。

登山靴の選び方によっては、後々大きな負担に。これにより、怪我や事故に繋がってしまいます。

2 登山靴の種類

登山靴といっても、その種類は実に様々。

ここでは代表的な「アルバインブーツ」と「トレッキングシューズ」について説明していきます。

2-1 アルバインブーツ

岩や雪などの不安定なルートで活躍するアルバインブーツ。

岩場との接地面を増やすアウトソールのブロックパターンや、小さな足場に立ち込みやすくなる硬いソールが特徴。

また雪道の歩行も想定した設計になっているものもあり、アイゼンを装着するための凹みがあるタイプも少なくありません。さらに本格的な冬登山用モデルであれば、保温性や断熱性を備えている登山靴も提供されています。

岩場が多い不安定なコースであれば、アルパインブーツを検討しましょう。

2-2 トレッキングシューズ

トレッキングシューズは、土や木道のルートを歩きやすいタイプ。ハイキングシューズと呼ばれることもあります。

前述した不安定なコースに適したアルバインブーツに比べ、土が多いルートを水平方向に移動するシーンを想定した作りになっています。

ソール部分は硬くもなく、それでいて柔らかすぎない中程度。アルバインブーツと比較すると、歩きやすく滑りにくいことが特徴です。

これから登山を始めたい方や、登山靴選びに悩まれている方はトレッキングシューズがおすすめです。

3 登山靴選びのポイント

登山は不安定な場所を歩くことが多いため、捻挫などのケガに繋がることも少なくありません。

登山靴を選ぶ際に確認しておくべきポイントは大きく3つ。ここでは、ポイントごとに説明していきます。

3-1 足首の高さ

登山靴は足首が高いもの(ハイカット)・足首が中程度のもの(ミッドカット)・足首が低いもの(ローカット)の3種類が代表的です。

山道の形状や標高の高さなどから、登山靴を選ぶことをおすすめします。

3-1-1 ハイカット

まずハイカットはくるぶしをしっかりとホールドして安定感があることが特徴。標高差の大きなコースや重い荷物を担ぐときに適しているタイプです。

足場が不安定なコースや、標高が高い山への登山を多く経験されている方におすすめ。

丈夫な作りになっており、足首をしっかり守ってくれるので捻挫などのケガを防いでくれます。

また岩場や雪山など難所を歩く場合は、他の種類に比べ歩きやすいことが特徴です。

登山初心者であれば、いきなりハイカットを選択しない方がいいでしょう。しかし、最終的に上級の登山に挑戦するのであれば、ゆくゆくは必要になります。

3-1-2 ミッドカット

ミッドカットはローカットとハイカットの中間の高さ。

足首を適度に保護しつつ、歩きやすさも兼ね備えているタイプです。

比較的汎用性が高く整備された登山道から、傾斜のある登山も険しい難所や雪山等でない限りは対応できます。

幅広く対応できるので、初心者の方に選ばれることが多いタイプです。

3-1-3 ローカット

ローカットは標高差の少ない自然歩道の散策に適しているタイプ。

スニーカーに近く、重量も軽く足首を自由に動かせられることがポイント。着脱がしやすく、平地で歩きやすい設計になっています。

しかしソールやつま先部分が柔らかいので、壊れやすくなっていることがネック。岩場などの不安定な登山道の場合は、不向きだということを覚えておきましょう。

3-2 ソールの硬さ

ソールの硬さも登山靴を選ぶ際に確認しておくべきポイントの一つ。

登山は平坦な道ばかりではなく、固い岩場や不安定な場所を歩くこともしばしば。

その際にソールの硬さは足を守るためにも重要な役割を担っているんです。

硬いタイプから柔らかいタイプのものまであり、登山の用途によって選ぶ必要があります。

ソールが硬いタイプは靴底が曲がらない分、小さな場所にも乗りやすくゴツゴツとした岩場などに適しています。

靴底の硬さが中程度のものは、重い荷物を背負い、不安定な岩場を歩く際に適しています。ソールが適度に曲がってくれるので歩きやすく、日帰り登山や低山歩きまで幅広い用途で使用できるタイプです。

ソールが軟らかいものであれば、スニーカーに近い感覚で歩くことができます。アスファルトの街中から整備された登山道までのハイキングルートに最適です。

3-3 防水機能

防水機能を搭載した登山靴であれば、急な雨でも安心して登山を楽しむことができます。

雨の場合、登山靴に防水機能が搭載されていないと水が染み込み、靴下までびしょ濡れになってしまいます。

不快になることはもちろん、そのまま歩き続けたらマメや靴擦れができ、歩行が困難になることもあるでしょう。

登山では多くのシーンで足元が濡れる可能性があるため、登山靴には防水機能がついていると安心です。

4 正しいサイズの選び方

登山靴を選ぶ際に、自分に合ったサイズを選ぶことが重要です。

普段から履き慣れているスニーカーとは違い、登山靴は足を保護するためにつま先が硬くなっています。そのため、登山靴を試着した際に靴の上からつま先部分を押してサイズを確認することができません。

サイズの確認をする際、まずは登山用靴下を履いた状態で試着をしましょう。

店舗などでも試着用の靴下が貸し出してくれる場合もありますが、可能であれば登山で使用する靴下で合わせるといいです。

登山用靴下を履いた状態で登山靴を試着し、つま先が靴とあたるように履きましょう。

その際に踵側に指を入れて、指がちょうど1本入るスペースがあればサイズが合っていることになります。

サイズがぴったりしすぎると下山時につま先に大きな負担がかかってしまい、足を痛めてしまう原因になるので注意が必要です。

次に踵側に足を移動し、つま先側から順に紐を締めていきます。足にフィットさせるために、靴紐は足先側から順番に締めていきましょう。

試着時に、足の甲や横側に不快な締め付けがなければ問題ありません。

最後に店内フロアや、階段などがあれば登り下りして履き心地を実際に確認しましょう。

5 お手入れ方法

5-1 使用後のお手入れ方法

登山靴を使用した後は、そのまま放置してしまうと靴に付着した汚れから劣化してしまう可能性があります。

登山靴のお手入れ方法の手順としては、まず靴紐とインソールを抜くところがスタート。

次に外側についた泥や埃を乾いた布やブラシで落としていきます。その際に、汚れがひどい場合は水を絞った布やスポンジを使用しましょう。タワシなどで強く擦ってしまうと傷をつけてしまうので、専用のブラシを使用することをおすすめします。

また防水透湿素材を採用している登山靴であれば、中に水が入ってしまうと乾きが遅くなってしまうため、表面だけを洗うようにしましょう。

汚れが酷い場合は、アッパー部分にギアクリーナーを吹き付け、ブラシで軽くこすれば汚れが浮き上がります。その後、流水で浮き上がった汚れを綺麗に洗い流しましょう。クリーナーの成分が残っていると、撥水効果が低下してしまうので注意が必要です。

洗い終わった登山靴を、風通しの良いところで陰干しをします。最後に消臭・防臭剤を靴の内部とインソールに吹きかければ完了です。

5-2 保管方法

登山靴を保管する際は型崩れを防ぐため、登山靴の中に新聞紙を詰めた状態で、靴紐を一番上のフックまで閉めます。

保管場所は通気のいい場所で保管をしましょう。直射日光があたる場所や、湿度の高い場所での保管はカビなどの原因になるので避けてください。

登山靴は使用後のメンテナンスが非常に重要です。汚れだけではなく、シューズの傷み具合など、細かな部分まで目で見て、手で触れて確認することが大切。

特にソールの剥がれには注意が必要です。およそ4〜5年程度で劣化し剥がれてしまいますが、使用状況や保管状況によっては劣化までの寿命を早めてしまいます。

使用後のメンテナンスや保管方法をチェックし、トラブルを未然に防ぎましょう。

6 登山靴と合わせて選びたいソックス

登山靴を選ぶ際に、重要になるのが登山用靴下。

普段から履いているような丈が長い厚手のソックスであれば何でもいいというわけではありません。

登山用ソックスにも、以下のように登山の際に求められる機能があります。

  • 擦れ防止
  • 保温性
  • クッション性
  • 吸汗・速乾
  • 通気性

普段履いているファッション用の靴下だと生地が薄く、足を痛めてしまう可能性があるのでなるべく避けたほうがいいでしょう。登山用専門の靴下を選びましょう。特にウ-ル素材のものがおススメです。

自分に合った登山靴選びを

登山靴は登山を楽しむための大切な道具の一つ。

登山では、捻挫や切り傷などに繋がることもしばしば。そのような危険を防ぎ、長時間歩ききるために自分に合った登山靴が必要です。用途によって選べる種類は多く、実際に履いてみなければフィット感を感じることができません。

当記事を通して、自分の足と目的に合った登山靴を選べるといいですね。

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