登山における紫外線対策を知り快適な登山を

COLUMN | 2023.05.03

肌の天敵とも言える紫外線。

日差しが強い夏をイメージしがちですが、実は紫外線は季節を問わず降り注いでいるんです。

普段のお出かけはもちろんですが、登山時にも紫外線対策を怠ることで様々なトラブルを引き起こしてしまいます。

そこで今回は登山に行く際の紫外線対策について、その方法やアフターケアなどについて触れていきます。

1 山での紫外線の危険度

肌トラブルにも繋がってしまう紫外線。日常生活はもちろんですが、登山時にはさらに注意が必要です。

実は紫外線の量は標高が高くなればなるほど、増加すると言われています。

具体的には標高が1,000m上昇するにつれ、紫外線の量は約10〜12%増加するんだとか。これは空気の澄み具合などによって、変化するため更に紫外線が強くなる場合もあります。

紫外線は上空から地上に到達するまでに、空気中に漂う個体や液体の小さな粒にぶつかりながら弱まります。当然ながら、標高が高い場合は太陽との距離が近くなるので紫外線が強いまま到達するわけです。

つまり、普段生活している状態より登山時は、より強い紫外線を受けやすくなるということですね。

2 特に気をつけたい季節

紫外線の量が多く、体への影響が高かくなりやすいのは7〜8月。

日差しが強い夏であれば紫外線量が多くなるのはイメージできますが、実は注意しておきたいのが4〜9月です。

紫外線の量は4月頃から増え始め、6〜8月にピークを迎えます。9月以降になると徐々に紫外線は減少していき、12〜1月に最も低くなる傾向に。

このように年間を通して紫外線は降り注ぐため、春から初夏にかけて紫外線量が増えてきていることを意識しておきましょう。

3 登山中の紫外線を受けることでのリスク

前述したように登山時の紫外線は日常生活に比べ、大きく影響してしまいます。

紫外線を浴びすぎると、肌の乾燥やシミやシワのトラブルを想像しますよね。では登山中ではどのようなトラブルがあるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

登山における紫外線トラブルは日焼け。紫外線を浴びたことによる炎症反応で、日焼けにより熱中症を引き起こすことも少なくありません。

また日焼けは、体力の消耗にも繋がってしまうことを覚えておきましょう。

日焼けをすることで皮膚が損傷し、その皮膚器官をケアするためにエネルギーを使います。それにより、内臓などにエネルギーが行き届かず疲労の原因に繋がってしまうわけです。

4 紫外線対策アイテム

登山に行く際は紫外線対策のアイテムを準備しましょう。

ここでは主な紫外線対策を紹介します。

4-1 日焼け止め

紫外線対策に持っておくべきアイテムの一つは日焼け止め。肌を強い紫外線から守ってくれるマストアイテムです。

登山時は長時間歩くことになり、大量の汗をかくことになります。排出された汗によって、日焼け止めが流れてしまう可能性も少なくありません。

たくさんの汗をかいても肌に留まりやすい、ウォータープルーフやスウェットプルーフ機能を搭載した日焼け止めを選びましょう。

4-2 帽子

強い日差しから頭部を守ってくれる帽子。最近では紫外線をカットしてくれるものなども提供されているので、紫外線対策にピッタリなアイテムです。

また同じ生地でもカラーが変わることで、紫外線カット率が異なります。一般的に白系と黒系であれば、黒系が紫外線カット率が高くなりやすいことを覚えておきましょう。

登山であればキャップやハットのタイプが主流ですが、帽子のつばの広さも紫外線対策にとって大切なポイント。

顔はもちろんですが、首周りなども紫外線から肌を守ってくれるためです。紫外線対策という観点で考えればハットの方が高いと言えるでしょう。

4-3 サングラス

サングラスも登山時には紫外線から守ってくれるアイテム。

実は目から入った紫外線も、肌に大きな影響を与えると言われています。

目と肌は直接関係ないように思いがちですが、目に強い紫外線が入ることで肌が黒くなってしまうのです。これはメラニンという物質の作用で、肌に紫外線があたってなくても目から入ることで脳が勘違いをしてしまうためです。

つまり肌をどれだけ紫外線から守っていたとしても、目が無防備だと日焼けをしてしまう場合もあります。サングラスを装備し、紫外線の目への影響を軽減しましょう。また帽子と組み合わせれば、より有効です。

4-4 アームカバー

アームカバーは、二の腕から手首にかけての紫外線対策に有効なアイテム。

手軽に着脱ができるので、日差しが気になるときだけ着用できることがメリット。またアームカバーを着用することで、虫刺され対策にも繋がります。

アームカバーを選ぶ際は紫外線のカット率が高いものや、吸湿速乾性能や筋肉を適度に締めつけるサポート性能を備えたものがおすすめです。

4-5 ネックゲイター

普段から紫外線対策を気にかけている方でも、忘れがちなのが首周り。春夏シーズンであれば、目の下から首周りをガードしてくれるネックゲイターが紫外線対策に有効のアイテムです。

気温が高い季節にネックゲイターを使用することで、息苦しいのではと感じる方も多いはず。提供されているほとんどのネックゲイターには、接触冷感素材を使用されており暑苦しさを軽減してくれるため心配はいりません。

また鼻の下かた口元にかけて通気口を配置しているので、息苦しさを軽減し、サングラスが曇らないような工夫が施されている点もポイント。水分を補給する際に、いちいちネックゲイターを外さなくて済むのも魅力の一つです。

5 予防策やアフターケア

日焼け対策をおこなっていても、完全に防ぐことは難しいもの。そのような場合でも、アフターケアによっては症状を軽減するとができます。

ここでは日焼けした場合のアフターケアや予防策について触れていきます。

5-1 日焼けした患部を冷やす

日焼けした場合の応急処置として、最も大切なことは日焼けをしている部分を冷やすことです。

紫外線により、肌が炎症を起こしてしまっている状態のため、患部を冷やすことで火照りをとる必要があります。

保冷剤をタオルやガーゼで包み、日焼けしている部分にあてましょう。保冷剤を日焼けしている患部に直接あててしまうと、肌へ刺激を与えてしまうためタオルやガーゼで包むことがポイント。

保冷剤が手元にない場合は、水に濡らしたタオルを日焼けしている箇所にあてておくだけでも効果的です。

5-2 十分な水分補給

水分を十分に飲むことも大切な予防策の一つ。日焼けになると、脱水症状を引き起こすことも少なくありません。

日焼けをすると肌が炎症し、肌の水分が蒸発してしまいます。日焼けの範囲が広がれば広がるほど、脱水症状を引き起こす原因になるので注意が必要です。

水分を摂取することで火照りをとる効果があるので、日焼けによる炎症を軽減してくれます。

普段の生活よりも、こまめな水分補給が大切です。登山に行くさいは十分な水分を持参しましょう。

5-3 化粧水で保水

前項で記述したように、日焼けした場合は患部を冷やすことで炎症を軽減することができます。

肌の火照りを冷ましたら、化粧水で保水することが大切です。

普段使用している量の2〜3倍程度の化粧水をとり、手で優しく肌に染み込ませましょう。その際に美白成分などを配合した化粧水だと、逆効果になることも少なくありません。抗炎症作用のある化粧水を使用することを推奨します。

ただ、肌の炎症が治っていない状態で化粧水を使用することは避けてください。肌が赤くヒリヒリしている場合などの違和感があれば、炎症が完全に治っていない証拠です。十分に日焼けした患部を冷やし、違和感がない状態になったタイミングで化粧水を使用しましょう。

紫外線対策の基本を知り快適な登山を

紫外線は標高が高くなればなるほど、肌への影響が大きくなります。また間違ったアフターケアは、さらに肌への負担を増やしてしまうため注意が必要です。

快適かつ安全に登山を楽しむためにも、紫外線対策は必須と言えます。

登山に行く際は是非、当記事を参考にしてみてください。

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