優れた機能を持つコーデュラ、その特徴や魅力を知る

COLUMN | 2022.09.05

広く知られているコーデュラ生地ですが、その機能についてご存知の方は決して多くはないはず。

そこで当記事では極めて優れた強度、耐久性、軽量性などを持つコーデュラに関して、幅広くご紹介していきます。

1 50年以上の歴史を持つコーデュラ(CORDURA®)

コーデュラは正式には「CORDURA® fabric」と表記します。

アメリカに本社を構えるインビスタ社(元はデュポン社の子会社で、現在はコーク・インダストリーズ社の完全独立子会社)の開発した機能性の高いナイロン素材です。

今日では頻繁に目にするコーデュラですが、実は1967年にブランド化して以降、50年以上の歴史のある生地。

アメリカのデュポン社が開発したナイロン66という商品をブランド化したことがコーデュラのスタート。インビスタ社がこのデュポン社の繊維部門を買収し、成長させてきました。

現在ではナイロン66の糸だけではなく、ウールミックスしたものや、サステナビリティに配慮したポリエステルコーデュラなど、多種多様なラインが開発されています。

特筆すべきはその繊維強度でしょう。通常のナイロンよりも非常に優れた耐久性を誇ります。

ちなみに表面の50%以上をコーデュラの生地を使用していない場合は、「CORDURA® 」製品として流通させることはできません。

2 コーデュラはアウトドア製品、旅行カバン、ワークウェアなど多岐にわたって使用される

コーデュラは機能性、汎用性の高さからアウトドア製品、旅行カバン、軍事用、ワークウェアに 至るまで様々なアイテムに使用されています。

私たちがよく目にするのはバックパックなどのカバンではないでしょうか。

近年では繊維を作る際にコーデュラを混紡し、Tシャツをはじめとした肌着の素材として使われることも珍しくありません。

3 認定された生地パートナーでのみ生産可能

コーデュラの生地は、インビスタ社が認証した工場でしか生産することができません。

インビスタ社自身が高い基準を満たす工場でのみ生産が可能です。そのため限られたパートナーのみがコーデュラを生み出すことが可能です。

インビスタ社はコーデュラの生地の品質を保つため、糸の管理や、糸を使用して生産する工場まで管理するなど、徹底したこだわりを貫いています。

4 独自の試験に合格した生地のみ出荷

糸・工場まで徹底管理した上で、さらに基準を満たしているかどうかの試験も実施されます。

この試験を経て独自の試験と基準に合格した生地のみが「CORDURA® fabric」として出荷することができます。

信頼性ある生地として世界中で親しまれている理由はこのように品質管理を徹底する姿勢にも見てとれます。

5 コーデュラが保有する3つの特徴

機能性素材のコーデュラはどのような強みを持っているのでしょうか。3つの観点からご紹介していきましょう。

5-1 強度と耐久性

まずはその強度、耐久性が挙げられるでしょう。前述のようにコーデュラは通常のナイロンよりもはるかに優れた強度と耐久性を有しているためです。

磨耗、切り裂き、擦り切れなどにも強く、耐久性が要求される用具やウェアにとっては非常に頼もしい素材と言えます。

5-2 軽量性

高強度の素材 = 重量感があるとイメージしてしまうかもしれません。

実際、生地の重量と強度はある程度比例します。その一方、コーデュラはその高い耐久性に加えてナイロンの持つ長所の1つである軽量性を確保しています。

「軽くて丈夫」なために素材として極めて優秀。アウトドア、ビジネス、カジュアルシーンまで様々なアイテムに使用されているのもこの機能ゆえでしょう。

5-3 撥水性

コーデュラに前述までの特徴に加え、撥水性にも優れています。

その秘密は、生地の裏側に 施されたポリウレタン加工。

「PU加工」とも呼ばれ、ポリウレタンで生地の表面をコーティン グすることで撥水性を高めています。

そのため天候の変化への対応が求められるアウトドアシーンなどで大活躍してくれるんです。

6 コーデュラは種類の種類と特徴

ここからはコーデュラの種類とその特徴について記載していきましょう。

6-1 コーデュラ1680・1000・500

最もベーシックなコーデュラです。

コーデュラ500、コーデュラ1000などの数字は繊維の太さを表すデニール(D)を意味しています。

一般的な製品にはコーデュラ500や1000が使用されますが、軍用品などより一層の耐久性の要求されるような製品には、コーデュラ1680が用いられることも。

6-2 コーデュラ610P・305P

耐水性も併せ持つのが、コーデュラ610Pと305P。

特殊ウレタンコーティングを施していることで耐水性を強化しています。「P」は、「ポリエステル」を意味しています。

ソフトな質感としなやかな風合いも魅力です。

さらにコーデュラ610P・305Pの生地にはテフロン加工が施されているため、油性・水性の汚れにも強く、綺麗な状態で長期間使用することが可能です。

6-3 コーデュラスパン

独特のムラ感と風合いを兼ね備えているのがコーデュラスパン。

糸自体をあらかじめ液流染めすることで独特の風合いを実現しています。通常の化学繊維はどうしても風合いの面で劣りますが、コーデュラスパンはこの欠点を克服した素材と言えるでしょう。

また、高密度で適度なボリューム感も魅力的です。

6-4 N/C コーデュラRIP

コーデュラ製品の中でも珍しいコットン混紡糸を使用したN/C コーデュラRIP。

経糸と緯糸の両方に「COTTON/CORDURA®」の混紡糸を使用しています。耐磨耗性・ 耐久性は保持しながらも、カジュアルウェアへの使用も可能な優しい質感に。

6-5 コーデュラエコキャンバス

その「エコ」の名の通り環境へ配慮して製造された生地。高性能のコーデュラ糸に加えてリサイクルペットボトルから作られた糸を使用しています。

エコ製品とはいえコーデュラらしい機能性は全く劣りません。他の生地との大きな違いは色落ちしにくいことでしょう。

さらにコーデュラ610Pと305P同様、生地にはテフロン加工が施されています。

6-6 コーデュラツイル

オリジナルのコーデュラポリエステルをデニムなどにも用いられることで有名な「綾織り」と呼ばれる技法で仕上げた種類。

シューズを中心にカジュアルアイテムに多く利用されています。

6-7 コーデュラエアーバリスティック

インビスタ社の商標登録である「バリスティックナイロン」にコーデュラを合わせた特別な生地。

コーデュラの高い耐久性に加えて、ガッシリとした質感と強度が特徴的なバリスティックナイロンを加えることでさらなる耐久性を実現しています。

中空糸を使用することで軽く、しなやか、そして強い生地です。

アウトドアなどのシーンではコーデュラ生地の選択も

世の中には様々な生地が存在していますが、強度や耐久性が求められるタフな環境で使用するアイテムであればコーデュラ素材は非常に心強い味方になってくれるはず。

特にアウトドアなどのシーンでは素材の強度は身体を守ることにも直結します。

強い生地のアイテムを探している方はコーデュラ生地の製品を一度手に取ってみることをおすすめします。

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