地球温暖化が引き起こす影響とは?南極が抱える問題について解説

2019.11.26 | COLUMN

 

私たちが抱える環境問題である「地球温暖化」。過去に比べ確実に上昇し始めている気温に対し、世界各地で温暖化対策に講じる必要性が高まってきています。

では温暖化と南極の関係性について、“南極の氷床が融解して海面が上昇してしまう”。そんな声を耳にしますが、その真偽についてはあまり知られてはいないのではないでしょうか。

ただ、それ以外にも現在すでに温暖化が原因で引き起こされている南極への影響も少なからずあると言われています。

今回は地球温暖化が南極にどのような影響を与えるのか、また解決のためにどのような取り組みが行われているかを詳しくご紹介していきます。

1 地球温暖化とはどのような現象か?

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そもそも地球温暖化とはどのような現象か、また原因がどこにあるのかご存知でしょうか。

地球温暖化とは大気中の二酸化炭素などの”温室効果ガス”と呼ばれる気体濃度が濃くなり、太陽熱を多く吸収してしまうことで引き起こされる地球の気温上昇のこと。

二酸化炭素をはじめとする大量の温室効果ガスは、私たちの経済活動には不可欠な化石燃料を使用することで排出されていしまいます。

産業革命以降、爆発的に増加したと言われる石油や天然ガスといった化石燃料の使用量。化石燃料は私たちの身近なところでは、車や発電などに使用されていると言えばイメージがしやすいかもしれませんね。

つまり私たちの生活が便利になるにつれ、化石燃料の使用量が増加し、結果大量の温室効果ガスを排出を増加させてしまったということなんですね。

温室効果ガスの濃度上昇が確認されてから、すでに気温が平均で約0.85℃も上昇している地球の気温。その上昇率は年々加速しており、2100年には4.8℃も上昇してしまうという予測も立てられているんだとか。

地球温暖化によって引き起こされる気温の上昇は、気候や生態系など様々なことに影響を与えてしまうとても無視できない環境問題なんです。

2 南極の氷が溶けると海面が上昇するのは本当?

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おそらく地球温暖化と南極の関係性と聞けば「氷床の融解とそれに伴う海面上昇」をイメージする人が多いのではないでしょうか。

結論から言うとその解釈には少し誤りがあるんです

地球温暖化によって引き起こされる氷の融解は、確かに南極や北極に影響を与えています。

しかし、南極の氷床の融解、ましてや北極の海氷が融解してしまうことが原因で海面上昇してしまう可能性は、それほど高くないんだとか。

海面上昇の確率が最も高いと言われているのが、実は「山岳氷河や万年雪が融解してしまうこと」なんです。

もちろん南極の氷床が溶けて全く海面が上昇しないというわけではありません。例えば全ての南極の氷が溶けてしまうと海面が60mも上昇してしまうと言われています。

ただ数百年単位で考えた時、山岳氷河や万年雪の融解は南極の氷の融解に比べ何倍もの海面上昇に寄与してしまうんだとか。

地球温暖化と海面上昇は確かに密接に関係をしていますが、南極で起こる氷床の融解と関係づけるのは少しだけ難しいのかもしれませんね。

3 南極への影響

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海面上昇以外で地球温暖化により引き起こされている南極への影響について見ていきましょう。

3-1 棚氷の融解

南極で起こっている氷の融解は、実は大陸全てで起こっているというわけではないんです。

南極大陸で最も氷が融解見られるのは大陸の西南極に位置する「南極半島」と呼ばれる箇所

特に南極半島にある、氷床が海に押し出された部分である「棚氷(たなこおり)」の融解が最も進行していると言われています。

過去に3つあった氷棚氷はラーセンという名前が付けられており1995年をかわきりに融解が始まり、あと10年で完全に消滅してしまうとも…。

南極半島の気温はこの50年の間に2.4℃も上昇しており、そのことが棚氷が融解してしまった最大の理由とされているんです。

3-2 海氷の増加

南極では氷床が融解している一方、海に浮かぶ氷である”海氷”は増加していると言われています。

“大陸の氷が溶けているのに、海面では氷が増えている”と聞くとなんだか矛盾を感じませんか?

実は海氷が増えている原因は温暖化による海水温度の上昇が関係しているんだとか。

海水温度が上昇すると大気中への降水形成を促す作用が働き、降雪量が増えると言われています。

降雪の増加は、南極海で起こっている”下降流”という海の底にある暖かい水を海水表面へ運ぶ働きを弱めてしまうんだとか。

海水面の温度が上昇せず、本来解けるはずの海氷がそのままの状態残ってしまうため、結果として「海氷が増えてしまう」という現象が温暖化によって起こってしまっているんです。

この海氷の増加は南極海に生きる海洋生物の生態系を狂わせてしまう原因となるため、あまり喜ばしいことではないと言われています。

3-3 生態系に与える影響

気温の上昇はもちろん生態系にも大きな影響を与えてしまっているんだとか。

南極で最もその影響を受けてしまっているのがペンギン。実はこの30年〜40年の間に急激にその数を減らしていき、マカロニペンギン、ヒゲペンギンといった種類はもはや絶滅の危機に瀕していると言われています。

ペンギンの主食である“オキアミ”というプランクトンの数が、温暖化が原因でそのほとんどが失われてしまったことがペンギンが減少してしまった原因なんだとか。

今後、食物連鎖の崩壊が原因となり他の生物も絶滅してしまう可能性があると言われています。

4 地球温暖化に対する世界的な取り組み

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地球温暖化の原因となる二酸化炭素の削減は、特定の国の問題ではなく経済活動をする全ての国が取り組まなくてはいけない問題と言われています。

現在、ほぼ全ての国が加入している「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)」に基き、締約国会議が毎年開催され、そこで温暖化対策についての議論が行われているんだとか。

この会議で成立した、先進国の温室効果ガスの削減を義務とする「京都議定書」や先進国・発展途上国問わず温暖化対策に取り組むことを定めた「パリ協定」など、もしかしたらその名前はどこかで聞いたことがあるという人がいるかもしれませんね。

南極大陸は世界中で最も地球温暖化の影響を受けている地域のひとつと言われています。

このような国を超えた取り組みは、南極大陸の環境を先の未来へと残すためにとても重要なことと位置付けられているそうです。

私たちの見えないところで進む温暖化の影響

本日は南極からみる地球温暖化の影響についてご紹介しました。

地球温暖化と南極や北極といった極地の関係性を引き合いに出した時、どうしても「氷床の融解による海水面の上昇」という問題が先行してしまいがち。

しかし、実際に南極大陸が温暖化から受けている影響は、私たちからは見えにくい部分の方が大きいのです。

温暖化が引き金となって起こる気候変動や生態系の破壊。そもそも元凶となっているのは人類が経済活動で多く排出してきた温室効果ガスの増加と言われています。

地球温暖化は南極やそれ以外全ての地球環境を守るため、私たちが積極的に対策を講じる必要がある問題なんですね。

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