防寒のために欠かせないインサレーションの特徴と選び方

COLUMN | 2023.09.05

断熱材で外気温の影響を遠ざけながら体温を保持する「インサレーション」。当記事ではインサレーションの特徴や、その選び方を解説しています。

 

 

当然ですが標高が高い山は街中と環境が異なります。

夏でも寒いことも珍しくなく、何もせず体温を奪われ続けると低体温症になる危険性が増加してしまいます。命にかかわるトラブルを防ぐために、断熱材で外気温の影響を遠ざけながら体温を保持する「インサレーション」は安全のために必ず持ちたいマストアイテム。

日帰りでも万が一に備えてバックパックに忍ばせておくと安心です。

今回はインサレーションの特徴や、その選び方を確認していきましょう。

1 インサレーションとは

インサレーションとは、断熱素材を備え、保温性のある中綿の入った防寒着のこと。

インサレーションは本来「断熱」や「隔離」を意味する英単語で、日本で聞き馴染みのある「保温着」や「防寒着」と同様の意味で、海外では「インサレーション」や「インサレーションウェア」という言葉が使われています。

アウトドアではミドルレイヤーの保温着として活躍することが多いですが、最近では行動着と保温着の機能を併せ持つ「アクティブインサレーション」という種類も登場しています。

インサレーションの素材には2種類あり、ダウンと化学繊維。ダウンは軽くて温かく、対して化学繊維は雨や雪で濡れても保温性を維持できるなど、それぞれに特徴があります。

保温性なのか軽量性なのか、優先するポイントを決めるとインサレーションを選びやすくなりますよ。

2 インサレーションはしばらく行動しないシーンで使用

高い保温性をもつインサレーションですが、行動中の快適性を高めるような透湿性や通気性が意図して備わっていない点には注意が必要です。

もし無雪期に着用して登山した場合、ウェアの内側が暑くなりすぎて不快に感じてしまう可能性も。

そのため、インサレーションは基本的に、

  • 休憩中
  • 昼食中
  • 夜の山小屋やテント場
  • 想定外のビバーク

など、しばらくアクティブに行動しないシーンで使用します。

3 断熱材の種類は「ダウン」か「化学繊維」の2種類

インサレーションは断熱材の種類によって「ダウン」と「化繊綿」の2タイプが存在しています。ぞれの違いを理解しておきましょう。

3-1 軽く、コンパクトな「ダウン」

断熱材にダウンを使ったタイプ。いわゆるダウンジャケットです。

冬になると街中でも着用する人が増えるアイテムです。軽く、コンパクトに収納できる上に高い保温性を保有している点が長所といえます。

しかしダウンジャケットにも短所が。

ひとつは表の生地が破けるとダウンが飛び出してしまうことが挙げられます。リペアテープなどを持っていなければ、修復することができません。

また、防水性にも課題があることも。濡れてしまうと簡単にダウンがつぶれてしまい、肝心な保温性が著しく低下してしまう可能性が高いのです。

3-2 保温性が低下しにくい「化学繊維」

化学繊維はシート状になっている場合が多いため、表の生地が破けても中綿が飛び出しにくいため、多少ラフに扱っても大丈夫。さらにダウンと違って濡れても著しく保温性が低下しにくい点も特徴です。

対してダウンよりも重量があり、かさばってしまう点がデメリット。

ですがダウンを模した素材が開発されるようになり、以前に比べると随分軽くなりました。しかしながらダウンと同等の保温性を確保しようとすると、まだまだ重くなってしまいます。

本体の重量増加と比例して収納サイズも大きくなってしまう点が化繊綿の短所といえるでしょう。

4 インサレーションはミドルレイヤーとは別々に用意するのがおすすめ

停滞時は基本的にミドルレイヤーの上にインサレーションを羽織ることが多いですが、まだ寒い場合はその上にシェルレイヤー(アウターレイヤー)を重ねることもあります。

また、雪山ではシェルレイヤーの上にインサレーションを着用する場合も。

インサレーションは「動かないときに着るウェア」と考えて、行動中に着て体温を保持するミドルレイヤーとは別々に用意するのがおすすめです。

5 「アクテイブインサレーション」はミドルレイヤーに相当するアイテム

断熱材を備えるウェアでもあるアクティブインサレーションは、インサレーションと混同されることが少なくありません。

しかし、アクティブインサレーションは行動中に着る「ミドルレイヤー」に相当するアイテムなため、ベースとなる用途が異なります。

簡単に言えば「行動中に着る保温着」。 休憩時などに使用する保温着とは異なり、動きやすさはもちろんのこと、汗蒸れしにくいことなどが求められるアイテムです。

インサレーションとは用途が異なるため、間違わないように注意しましょう。

6 シーズンごとのおすすめインサレーション

6-1 春~秋の無雪期の一般登山には「ダウン」タイプのインサレーション

春から秋にかけて無雪期の一般登山には、ダウンを使ったインサレーションがおすすめです。

化学繊維と比較してダメージに弱いとはいえ、故意に傷付けなければそう簡単に穴が開く心配はありません。さらに万が一濡れても気温が高い時期であれば乾かすことが可能です。

冬季以外の登山には、軽くて暖かいダウンを選んでおけば安心です。

6-2 雪山登山やハードなコンディションでは「化学繊維」タイプのインサレーション

ダウンは積雪期の雪山でも重宝しますが、雪や結露などで濡れてしまうと注意が必要。

周辺の気温が低すぎるため、乾かすことが困難になってしまいます。

この時期はクランポンやアイスアックスなど鋭利なギアが増えるので、ふとしたタイミングで表生地が破けてしまう危険性も増加します。

これらのことから濡れに強く、さらにラフに扱える化学繊維はどちらかというと雪山におすすめ。何泊もするテント泊や衣服が濡れがちな沢登りなど、無雪期でも比較的ハードな環境で重宝します。

7 POLEWARDSが提供するインサレーションウェア

羽毛の膨らみを化学繊維で再現したグラフェンサーモフーディ。

ボール状のポリエステル中綿素材に熱伝導性と幅広い光吸収性に優れるグラフェンをブレンド。これにより素早く吸熱と放熱を繰り返し、中綿内の空気を温めてくれるので快適に過ごすことができます。

肩の動きに合わせ伸縮するストレッチアクションショルダーを採用。窮屈に感じることも少なく、ストレスにもなりません。

また家庭での洗濯も可能なのでガシガシ洗っても安心です。

環境や用途によってインサレーションを使い分けることが重要

今回はインサレーションについて解説してきました。

軽くてコンパクトなダウン、丈夫で防水性能の高い化学繊維の2つのインサレーションは、それぞれ長所と短所があります。

登山するコンディションや時期に合わせて、最適なインサレーションを選択してください。

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