北極冒険家・荻⽥ 泰永氏の行動する事への考え方や日々の視点から学ぶ事
COLUMN | 2020.03.01
無事に北極圏を目指す冒険ウォークを終えた荻田泰永氏をお招きし、行動力や考え方に関してなど、様々なお話をお伺いしました。
極地を歩き続けた荻田氏に学ぶ、人生に大切な多くの観点が語られたインタビュー。
その内容をお届けします。
※当記事の画像はhttps://www.polar-ogita.com/より出典しています。
必死になれば人は行動力する
よく「行動力がありますね」と言われますが、自分は合理的に動いているだけ。自分に行動力があるとは思っていません。
実は「行動力」ってネガティブな要素で語られる事が多いんですよ。表面上ポジティブな言葉ように聞こえるけれど、「行動力を持てない」人が「行動力」という言葉を使う傾向にあります。
そのため、そこに含まれてるニュアンスはネガティブなことが多いんです。
行動力がある人は行動力を考えていません。
例えば、海に浮かんでいて何もせずジッとしていたら沈んでしまいますよね?泳がないと沈んでしまいます。
このまま海にいたら沈んでしまうと思ったら全員一生懸命泳ぐんです。助かろうと一生懸命泳いでいる人に「行動力がありますね」とは言いいませんよね。
自分も必死で泳いでいるだけ。泳がないと死んでしまうので泳がざるを得なかっただけなんです。
北極への冒険を決断したのも、自分が停滞してしまう、泳がないと死んでしまうと思ったから。
北極を選んだきっかけは、様々なメディアでも言っていますがたまたまです。きっかけがあったからにすぎないんです。元々人と同じことをしているのは面白くないんじゃないかと思っていたので、その時たまたま飛び込んできた北極に魅力を感じたというのもあります。
テレビで初めて北極の情報に触れた時、これは何かがあるかも知れないなと思ったんです。参加したら何かが起きるんじゃないかなとも感じました。
日々アンテナを張り巡らせる事
北極に出会ったのも偶然だけど偶然ではないとも言えます。
その時は直感的に、衝動的に魅力を感じましたが、今思えば様々なものに出会うチャンスは日々たくさんあるんです。ただそれに気付くか気づかないかだけ。
先ほどの話のように、必死だったらもがきます。でも歳を重ねてだんだんと泳ぎ方を覚えてくると必死さがなくなってくるもの。そうなるとチャンスに気づきにくくなり結果としてアンテナの感度が落ちてしまいます。
本当は毎日チャンスだらけのはずなのにそれに気付けない。
今何かものすごく困ってたとして、電車の横に座った人がそれを解決してくるかもしれませんよね。でももしこれを解決しないと明日死ぬとしたら、目につく人全員に話しかけませんか?どこに大チャンスが転がってるかわからないんです。
必死になれば感度の高いアンテナを広く張る事ができますよね。もしかするとそれを行動力と形容するのかもしれません。
大切なのは「泳がざるをえなくなるまで困ってみる事」
たまたま北極が魅力的に映ったときはまさにアンテナの感度が高い状態でした。テレビ番組との出会いは偶然ですが、それに気付くかどうかが大切。
日々通り過ぎている情報に気付けるかどうか。アンテナはるのは自分ですが、アンテナにひっかかってくるのは偶然です。もちろんアンテナを引っかかっててもかからないかも知れない、でも張ってれば確率は上がります。
なので偶然ですが偶然じゃないと言えるんです。
ですが多くの人はアンテナを閉じたまま「チャンスがないな」と思ってしまっている。困ってたら必死に泳ぐだけ、困ってないから泳がないんです。
泳いでないってことは必死ではないってこと。
泳がざるをえなくなるまで溺れてみればいい。そうすれば誰だって必死で泳ぎたくなるものです。アンテナを張らずにただ待ってるだけではチャンスはこないんですよね。
行動力と言う文脈で悩んでいる方に伝えるとしたら「泳がざるをえなくなるまで困ってみなさい」と言う事。
自分が困るのが一番です。それが一番物事を考えます。自分が考えないことには何も始まらないんです。
自分の視点と異なる視点を持った人に会うことも大切
人に話す事、聞かれる事は大切にしています。
たまに自分が考えていなかったことから質問が飛んできたりするんです。そうなると物事の見方が変わると思っています。
その質問により自分の頭の中が整理され、考えがまとまり、新しい発見がある。より知らない角度から打ち込んでくる人を見ると、発見が見つかるんです。
そのため自分の視点と違う人と話せば話すほど視点が広がります。
知らない知識を増やせるだけでなく、自分の中にあった固定観念などを別の角度で眺めることができるようになるんですね。
人に会って人脈を広げることも大事ですが、あくまでそれは自分の外の話。大事なのは価値観の違う人の観点を学び自分の中にある別な側面に出会うことだと思っています。
自分がしっかり語れるものを1つでも作る
コミュニケーションにおいて質問してもらうという事は大事な事です。向こうから話しかけてくれるため、質問される人は有利ですし。
聞かれる尖ったネタを一個でも持っていれば強いですね。なかなか話のきっかけがないと思う人は、自分から話そうとするから辛くなってしまうんです。
趣味でも見た目でも、何か人に語れるものが1つでもあれば向こうから聞いてきてくれます。そこで会話が生まれるんです。
「向こうから話しかけてくれる状況を作ること」そこにお金や時間を使うことをおすすめします。
最後に
トライアンドエラーを繰り返し、アンテナ高く日々活動される荻田さんから多くのことを学ぶことができるのではないでしょうか。
荻田さんの生き方からは、極地のみならず、生きることや社会で生活することなど、私たちにとって普遍的な事象に対しても非常に深い階層まで届く言葉、ヒントををたくさん得ることができるはず。
今後の荻田さんの活動にも注目です。