近畿地方における有名登山スポットを紹介

COLUMN | 2023.08.08

日本には多くの山が存在しており、多くの登山家を魅了しています。

近畿地方にも有名な山々があり、絶景や自然を満喫できることが魅力。

今回は国内の中でも近畿地方にスポットを当て、地域別に登山スポットを紹介します。

1 滋賀県

1-1 伊吹山(いぶきやま)

滋賀県と岐阜県に跨る伊吹山。標高1,377mで、壮大な景色を一望することができます。

伊吹山は滋賀県の最高峰で、日本百名山の一つ。山頂からは琵琶湖や伊勢湾の大展望が広がります。

「古事記」や「日本書紀」にもその名が記される歴史的な山で、古くから霊山としても知られています。ヤマトタケルの神話が語り継がれており、山頂にはヤマトタケルの石像があり人気スポットです。

また「新・花の百名山」にも選定されている山で、四季折々の高山植物を楽しむことができます。

標高1260mまで車で9合目まで登ることができ、初心者でもチャレンジしやすい登山コースも用意されているため多くの登山家に親しまれています。

1-2 三上山(みかみやま)

標高は432mと小ぶりながら、近江富士とも呼ばれるのが三上山。

多くの登山家が一度では飽き足らず、二度、三度登ってみたいと口にする程です。その山頂からは琵琶湖や比良の山々を望むことができます。

山麓には三上山を神体山とする御上神社があり、祭神は天御影之神(あめのみかげのかみ)。この神が三上山に降臨したのを祀ったのが始まりと伝えられています。

国宝指定の本殿と、楼門・拝殿は国の重要文化財に指定され神聖な雰囲気を味わえます。

登山ルートは3つあり、いづれも登山口から山頂まで40分程度。比較的緩やかな登山道なので、初心者でもチャレンジしやすいでしょう。

1-3 金勝山(こんぜやま)

金勝山はいくつかの山々で構成され、最高峰の竜王山、鶏冠山などの総称。「金勝こんぜアルプス」とも呼ばれています。

最高峰の竜王山の標高は605m。多彩な登山ルートが用意され、ビギナーから登山経験者まで幅広く愛される山です。ただコースによっては足場の悪い箇所があり、冬場の積雪や凍結時は初心者には難しいかもしれません。

花崗岩主体の岩山であり、天狗岩や耳岩といった奇岩、狛坂磨崖仏や逆さ観音、狛坂寺廃寺跡などの歴史的な遺産も多数存在します。

標高は1,000mに満たない山ですが、生息する野鳥や奇岩、史跡など見どころ満載です。

2 京都府

2-1 比叡山(ひえいざん)

標高848mの比叡山は、京都府と滋賀県に跨る山です。

古くから信仰の対象とされ、天台宗の総本山である延暦寺が建てられています。観光スポットとしても有名なので、登山家だけではなく多くの方が訪れるスポット。

季節によって変化する景色を楽しむことができ、特に秋の紅葉は絶景です。もみじの枝越しの京都の街並みや、琵琶湖の景色は格別で、写真家にとっても人気スポットの一つ。

バランスのとれた三角形の姿から「都富士」とも呼ばれており、山頂からは琵琶湖や京都市街を眺めることができます。

2-2 深山(みやま)

深山は京都、大阪、兵庫の三府県に跨る山で、標高は北摂津最高峰の791m。

四季折々の景色が楽しめることが魅力で、初心者でも安心して登山ができます。

登山にかかる時間は往復で2〜3時間程度。ルートは整備されており道に迷う心配も入りません。また危険箇所も無く、初心者にも人気の登山スポットです。

山頂付近はススキやササの草原が広がり、遮るものがないので遠くの山々を望むことができます。

2-3 愛宕山(あたごやま)

愛宕山は標高924mで、京都府で二番目の高さを誇ります。

山頂には火難除けの信仰が厚い愛宕神社が建てられ、山腹には月輪寺、さらに空也の滝があり歴史と信仰の深い山です。この愛宕神社は全国に約900あると言われる愛宕神社の総本社です。本能寺の変の直前に明智光秀が参詣したとも言い伝えられています。

標高もさほど高くはないため初心者でもチャレンジしやすい山ですが、登山経験者にも手応え十分な山です。

山頂からは京都の街並みが広がり、神社への参詣は「愛宕詣り(あたごまいり)」と呼ばれ多くの登山家や観光客に親しまれています。

3 大阪府

3-1 金剛山(こんごうさん)

金剛山は、大阪府と奈良県の県境に位置する一帯の山地を指します。

いくつかの山々で構成され、主峰は葛木岳。標高は1125mで大阪の最高峰です。

山頂付近には葛木神社や転法輪寺があり、頂上は神域となっています。その他にいくつかピークがあり、登山ルートもさまざま。

頂上からは大阪湾を一望でき、天候次第では明石海峡大橋が見えることも。また多くの植物も魅力の一つで、多くの登山家から親しまれる登山スポットです。

3-2 岩湧山(いわきさん)

標高897mの岩湧山は、新日本百名山の一つ。

複数の登山道が用意され、展望デッキと山頂までのんびりと続く「いわわきの道」には杉林や紅葉の雑木林などが見られ、自然のままの風景や季節の彩りを感じられることが魅力。
登山ルートは整備されており、難所も少ないので初心者にもチャレンジしやすい山です。
山頂付近は茅場になっており、秋になるとススキの穂が広がります。その景色は美しく、多くの登山家や観光客を魅了しています。山頂からは大阪平野や大阪湾などを一望できるスポットです。

3-3 生駒山(いこまやま)

大阪と奈良の境に位置する生駒山。1,000m未満の山々が連なる非常に穏やかな生駒山地の主峰でもあります。

標高は642mで、霊山としても信仰の対象となってきた山です。

山頂からは、明石海峡大橋や関西国際空港まで見渡せる景色を楽しむことができます。また遊園地も山頂にあるので、子供から大人まで幅広い世代に支持されるスポットです。

4 兵庫県

4-1 六甲山(ろっこうさん)

六甲山は大小の山を含む六甲山系全域を指し、神戸市の西から北へ連なる山です。

標高931mの六甲山は、初心者から上級者まで多くの登山家に親しまれています。

その一方でレストランやカフェ、植物園やミュージアム、アスレチックなどがあり、子供から大人まで幅広く楽しめる観光地でもあります。関西のシンボル的存在で、日本でも有数の夜景スポットとしても有名です。

4-2 氷ノ山(ひょうのせん)

兵庫県と鳥取県に跨る氷ノ山。標高は1,510mを誇り、兵庫県の最高峰。

西日本で唯一の湿生植物が残存し、国の天然記念物イヌワシが生息することでも知られています。また5月上旬に見られる、田植え前の水田に反射した逆さ氷ノ山が有名。毎年田植え時期になると、観光客などで賑わうスポットです。

山頂部はドーム状の緩やかな斜面が広がります。頂上からの展望も良く、空気の澄んだ日には六甲から四国の山々まで360度の景色を楽しむことができます。

4-3 摩耶山(まやさん)

兵庫県に鎮座する摩耶山の標高は702m。前述した六甲山脈の一つで、中央部分に位置しています。

山上の天上寺に釈迦の生母・摩耶夫人を祀ることから山名の由来。

頂上からの景色は六甲アイランドや神戸市街、または関西国際空港が見渡せます。その眺めは日本三大夜景の一つに数えられており、1000万ドルの夜景を堪能することができます。

また登山道の途中には、日本の滝百選に選ばれている「布引の滝」を見られることもポイント。初心者からなので上級者まで幅広く楽しめるスポットです。

5 奈良県

5-1 大台ヶ原山(おおだいがはらやま)

大台ヶ原山は奈良県と三重県に位置する、標高1,695mの日出ヶ岳を最高峰とする台地状の山地。

日本百名山に選ばれており、日本百景や日本の秘境100選の一つでもあります。

国内でも雨量が多く、それ故に大蛇嵓の断崖絶壁や雄大な渓谷美、トウヒやブナの豊かな原生林をはぐくみ、近畿地方における本格的な登山のメッカとしても有名スポットです。

大台ヶ原は大きく、日出ヶ岳や大蛇ぐらなど主要な展望地がある東大台と、原生的な森林が広がる西大台に分類されています。

西大台エリアに入る際は事前の手続きが必要で、入山受付は3か月前からです。これは豊かな自然を次世代に引き継ぐためのもので、東大台エリアには手続き不要で入山が可能です。

あまた大台ヶ原、大杉谷周辺ではツキノワグマの目撃情報も多く聞かれます。入山する際は、熊よけ鈴など音の出るものを携帯することを忘れないようにしましょう。

5-2 大和葛城山(やまとかつらぎさん)

奈良県と大阪府に跨る大和葛城山。標高は952mの山で、金剛山地の一つ。

大和葛城山は5月頃に見頃を迎える、一目百万本と言われる山肌を真っ赤に染めるツツジの大群落が有名です。その他の季節も、四季折々の自然が楽しめるのも魅力の一つ。また山腹には、空海ゆかりと伝えられる礎石や石垣などの史跡も残っており歴史も感じられます。

山頂付近は高原状になっており、大和盆地や大阪平野を一望することができます。

5-3 高見山(たかみさん)

高見山は奈良県と三重県の県境に鎮座します。標高は1,249mで「関西のマッターホルン」の異名を持つ山です。

山名の通り山頂からの眺めは絶景で、三重の山々や重畳と続く台高山脈を一望することができます。

厳冬期には霧氷や樹氷が見られることでも有名なスポット。また樹齢700余年の高見杉や、多くの植物が出迎えてくれます。

6 和歌山県

6-1 龍門山(りゅうもんざん)

龍門山は、和歌山県に鎮座する龍門山脈の主峰で標高は756m。その見た目が富士に似ていることから、別名「紀州富士」とも呼ばれています。

山頂からは天候がよければ淡路島まで一望が可能です。山頂までの途中には、県が指定する天然記念物の「磁石岩」などが見られることも魅力。また、絶滅危惧種に指定されている「ギフチョウ」や、貴重な植物「キイシモツケ」の群生なども見られます。

6-2 真妻山(まづまやま)

標高523mの真妻山は、山頂からの眺望が素晴らしく山中には数々の滝や豊かな緑を楽しめます。

他の山に比べると低山ですが、山容の美しさから「日高富士」とも呼ばれる程。

山頂からは、紀伊山地の山々や太平洋の大海原などの絶景を見渡すことができるのも魅力です。

また頂上までの道のりには、複数の滝があるのも特徴の一つ。「涼みの滝」や通称「25mの滝」、麓の御滝神社が御神体とする「大滝」など、滝巡りを楽しまれる方も少なくありません。

6-3 雲山峰(うんざんぽう)

和歌山県と大阪府に跨る標高490mの雲山峰は、「紀泉アルプス」と呼ばれる山域の最高峰です。

アルプスといっても岩場などはなく、歩きやすいため初心者でもチャレンジしやすい登山スポット。

低山ながらも山々が連なり、気持ちのいい登山ルートが続きます。山頂からは、大阪湾や和歌山市の紀ノ川などの景色を楽しめます。

四季折々の景色を楽しめる近畿地方の山々

近畿地方にも多くの登山スポットが存在し、多くの登山客や観光客で賑わいます。

その場所でしか味わうことができない、絶景や天然記念物に指定されている動植物など魅力はさまざま。

当記事を参考に、近畿ち地方への登山を計画してみてはいかがでしょう。

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