一度はみたい景色!世界遺産「屋久島」の縄文杉を見に行こう!
COLUMN | 2020.06.10
鹿児島から海上約60km南に位置する世界遺産「屋久島」。
そんな自然多き屋久島の象徴である「縄文杉」が佇むスギの原生林は、誰しもが一度は訪れたいと思う場所のひとつではないでしょうか。
今回は世界遺産「屋久島」について、縄文杉を中心にスギの原生林をめぐるルートや実際に行くまでの注意点など詳しくご紹介してきます。
1 世界遺産「屋久島」と縄文杉
よく勘違いされがちですが、”屋久島の全て”が世界遺産に登録されている訳ではありません。また、「縄文杉=世界遺産」という認識も誤り。
1933年に世界遺産に登録されたのは屋久島のほんの一部。屋久島国立公園や森林生態系保護地域の一部、屋久島スギ原生林など島の約20%がその対象地域なんです。
縄文杉に至っては、発見されたのが1966年と世界遺産登録後。今では屋久島のシンボルとまで言われているので、意外と思う方も多いのではないでしょうか。
屋久島が世界遺産に登録されたのは「日本固有のスギの生育地」であったこと。また、南方特有の亜熱帯環境と島のほぼ中央に位置する宮之浦岳でみられる冷温帯の環境が同時に見られる珍しい気候もその理由のひとつと言われています。
つまりひとつの島の中で温かい地域と寒い地域の気候や生態系両方を見ることができる、世界的にも珍しい環境が世界遺産に登録されている由縁なんです。
2 「縄文杉」を見に行くためには
縄文杉とは、樹齢2,000年とも7,000年とも言われる屋久島に自生する最大の屋久杉のこと。その幹の周囲は16.4mも及ぶほど巨大なんです。
ここでは縄文杉を見るためのルートや注意点について見ていきましょう。
2-1 コースと所要時間
縄文杉が自生している場所には、荒川登山口をスタートして約22km登山道を歩いていくが必要があります。
所要時間はおおよそ10時間。高低差も700mあるため、登山にあまり馴染みのない方にとってはかなりハードな道のりに感じるかもしれませんね。
登山道には以前使用されていた”トロッコ道”がそのまま残されており、前半は歩きやすい道が続きますが後半は急勾配が続きだんだんと辛くなっていくのが特徴。
ただ世界自然遺産登録地域に入るころには、美しく屋久島独特な植物や森の生態を垣間見ることができるため、ゆっくりと景色を楽しみながらの登山がおすすめなんです。
2-2 ガイドやツアー参加は必要?
縄文杉のトレッキングでは、約半数の人がガイドを雇ったりツアーに参加していると言われています。
ガイドやツアーを利用する最大のメリットは”安心してトレッキングを行える”ということ。登山のペース配分や万が一のケガへの対応など心配する必要がなくなります。
ただ、荒川登山口からスタートするルートでは縄文杉までの往路で迷うことはまずありません。自分たちのペースで歩きたいという方は、ガイドやツアーに参加する必要はないかもしれませんね。
2-3 トレッキングは日帰り?一泊?
縄文杉のトレッキングでは、日帰りするか一泊するかどちらにしようか迷ってしまいますよね。
まず、前述した通り縄文杉までは10時間以上歩くことが必要。もし日帰りの場合、登山口に”13時までには引き返す必要がある”と注意書きがある通り、かなりハードなスケジュールになることを想定しなくてはなりません。
そのため、体力や歩くスピードに不安がある場合は一泊するスケジュールがおすすめ。ゆっくり景色を眺めながら歩き、縄文杉の近くの山小屋に宿泊するのもよいかもしれませんね。
3 トレッキングする際の注意点
3-1 服装で気をつけたいこと
屋久島でトレッキングする場合、もっとも大切なのは「雨対策」。
もともと屋久島はとても雨が多い地域。まずはレインコートやザックカバーなど雨が降る前提で服装などを用意しておくと安心です。
また、体が雨にあたると体温も低下してしまいますよね。そのため、たとえ夏の屋久島でも防寒着は必須。
フリースやライトダウンなど体温調整ができるジャケットは必ず用意するようにしましょう。
3-2 屋久島のトイレ事情
縄文杉までの登山道には、2箇所バイオトイレといくつかの簡易トイレが設置されています。
ただし、簡易トイレを利用する場合は携帯トイレを持参しておく必要があります。念のために携帯しておくと安心かもしれませんね。
自然環境を守るためには定められたルールを遵守することがとても大切なんです。
4 他にもある屋久島の見所
4-1 白谷雲水峡
白谷雲水峡とは前述した荒川登山口と対をなす、もうひとつの人気登山ルート。
このルートでは「苔むす森」という幻想的な水沢や、ヤクスギを始め弥生杉、くぐり杉、七本杉、びびんこ杉などを見ることができます。
トレッキングにかかる所要時間はおよそ6時間。時間的に余裕のない方や体力に自信がない方にはおすすめのルートなんです。
4-2 大王杉
縄文杉の少し手前にある大王杉。実は縄文杉が発見される前は、この大王杉が屋久島のシンボルだったんです。
周囲は11.1m、樹齢も約3,000年と縄文杉と比較しても負けず劣らずの大変立派な杉が大王杉なんです。
4-3 ウィルソン株
ウィルソン株とは巨大な切り株のこと。中が空洞になっており、そこから見える「ハート型」が特徴なんです。
こちらも縄文杉より少し手前に位置し、パワースポットとしてともて人気があるんです。
まとめ
本日は世界遺産屋久島のシンボルでもある縄文杉を中心に、おすすめのコースや注意点についてご紹介してきましました。
諸説ありますが、縄文杉は樹齢5,000年を超える歴史的にも大変貴重な杉の木。そもそも日本固有の杉の育成地として世界遺産としても登録されている屋久島でもっとも有名なスポットではないでしょうか。
ただ縄文杉を見ようとすると往復20kmの登山道を歩いていく必要があります。その為、ある程度余裕を持ったスケジュールや体力的なことを考慮しておく必要があるんです。
一生のうち一度は見てみたい景色のひとつである「屋久島の縄文杉」。ぜひ、本記事を参考に計画を立ててみてはいかがでしょうか。